2024年4月29日月曜日

沈黙の音たち

benign (温和な、良性の)

subtle (微妙な、かすかな)

annihilation (消滅)

ここでクイズです。上に挙げた3つの単語の共通点は、何でしょう。

ヒント:発音に関係します。

答えは


どの単語にも音を出さない文字が含まれている、というものでした!どれも、青い太字の部分は発音しません。

単語の下のリンクをクリックして、それぞれの発音を確認してみてくださいね。

benign

https://dictionary.cambridge.org/ja/pronunciation/english/benign

subtle

https://dictionary.cambridge.org/ja/pronunciation/english/subtle

annihilation

https://dictionary.cambridge.org/ja/pronunciation/english/annihilation


2024年4月23日火曜日

That's not on you.

 アメリカの刑事ドラマを観ていたら、こんなやり取りがありました。ある少女が行方不明になった事件に関して、自分に落ち度があるのではと悔やむ男性刑事に対し、女性刑事がかけた言葉です。

"The girl is missing, but that's not on you."

少女は行方不明だけど、それはあなたのせいじゃないわ。

なるほど。つまり、

It's not your fault.  Don't blame yourself.  

という意味になるんですね。

on you/me/someoneといえば、誰々が支払う、誰々のおごりという意味もありますね。

It's on me.  わたしのおごりよ。

基本的な前置詞"on"の役割は、予想以上に多様ですね!




2024年4月19日金曜日

サイレント"w"

 swim(泳ぐ), swing(揺れる・揺らす), sweet(甘い), swell(膨れる)

などなど、語頭にswのつく単語はたくさんありますね。上記の単語の"w"はどれも"w"を発音します。

ところが、例外もあるのですね。

「刀」という意味の単語、swordがそれです。

初めてこの単語を見たとき、他のswで始まる単語と同じように"w"も発音するのかと思ったら、違いました。

正しい発音はこちらです。

そう、"w"は発音しないんですね。サイレント"w"です。

考えてみたら、語頭ではありませんが、「答える」という意味のanswerの"w"も発音しませんよね。

こういう例外的な単語は、理屈ではなく発音を丸ごと覚えるのが一番ですね。





2024年4月13日土曜日

Against the Wind

ネットでいろいろなブログ記事を読んでいたら、その中のひとつに「風に逆らって・・・」という描写があり、そこからこの歌を思い出しました。

Bob Seger "Against the Wind"

Seger said that "Against the Wind" came about from his days as a high-school cross country runner. He described the song as "about trying to move ahead, keeping your sanity and integrity at the same time."(ウィキペディアより一部引用)

この歌は高校時代クロスカントリーランナーだった頃の思い出から生まれたそうです。彼はこの歌を「健全かつ誠実でありながら前進しようとすること」と描写しています。



久しぶりに聴いて、心に染み入る良い歌だなあ、と改めて思いました。

Against the wind.

文字通り「風に逆らって」「風に向かって」という意味もあれば、「世論/大勢に逆らって」という意味もあります。深いですね。逆風に負けず、自分の道を進む潔さ、精神力の強さが感じられる表現です。



2024年4月8日月曜日

Get stuck in

 

先日、Netflixで「ビューティフル・ゲーム」という映画を観ました。世界中のホームレス達がそれぞれの国でチームを結成し、4年に1度世界一を目指して戦うホームレス・ワールドカップの話です。これは実話に基づいた映画で、韓国映画にもホームレス・ワールドカップを題材にした「ドリーム 〜狙え、人生逆転ゴール!」がありますが、これもとても面白かったです。パク・ソジュンの演技が光っていました。

 

ビューティフル・ゲーム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

イングランドのサッカーチームは、ホームレス・ワールドカップに出場するためにローマへ。チームに新たに加入した才能あふれる選手は過去を乗り越え、仲間たちと力を合わせ...

 

そこに登場する日本チームがなかなかユーモラスに描かれていて(ちょっと誇張している部分もありますが)、チーム率いる女性監督が、何度も口にするセリフが気になりました。それは、

"Get stuck in."

「頑張りましょう!」というニュアンスだとは思いますが、聞いたことがなかったのでオンライン辞書Cambridge dictionaryで調べてみると:

get stuck in


idiom UK informal (also get stuck into something)


to start doing something enthusiastically

ああ、なるほど。イギリス英語の口語なんですね。アメリカでよく耳にしたのは、"I got stuck in traffic"(交通渋滞にはまっちゃった)のように、「抜け出せなくなる」「立往生する」という意味の"get stuck"でした。

ところが、イギリス英語では、「熱狂的に何かを始める」という意味になるのだから、面白いですね。まさにサッカーチームを鼓舞するのにぴったりの表現ですね。


I'm pissed

 またまたFBで見つけました、アメリカ人らしいジョークです。

夫婦の会話。

Wife: "I'm pissed."

Husband: "Again or still?"

(Cartoons and Jokesより)

解説:

妻「怒ってるんだから」

夫「また?それとも、まだ?」

pissedは形容詞で、「怒っている」という状態を表します。下の写真からも、女性の表情や仕草に怒りが表れていますね。

オチは夫のセリフにあります。

また?(さっきとは違うことで怒っているの?)それとも、まだ?(さっきの怒りが今でも続いているの?)

日本語訳が「また」と「まだ」で韻を踏んでいますね。英語では意味上の面白さだけですが、日本語では意味と音の両方で面白さが伝わってきます。

ちなみに、動詞のpissを使った熟語 piss offは、「(人を)怒らせる、イライラさせる」という意味です。

He always pisses me off!

彼にはいつもイライラさせられるわ!

Count on me

 数える、という基本語義のある"count"を使った熟語に、「~に任せる」「~を当てにする」「~を頼りにする」という意味のcount on someoneがあります。

A: I really need your help.

本当にあなたの助けが必要なの。

B: You can count on me!

任せてくれ!

C: Can I count on you to do this difficult job?

あなたにこの難しい仕事を任せていいですか?

D: No, don't count on me!

いいえ、わたしを当てにしないでください!

You and I have a history

「歴史」という意味の"history"は、こんな風にも使われます。

I have a history with him.  

彼とはむかし付き合ってたのよ。

They have a history.

彼らは因縁がある。

終わった恋愛関係を指すだけでなく、過去に何らかの形で(大喧嘩をして決別したなど、不愉快な経験を指すことが多いです)関係を持った人との間柄を指す表現です。

You and I have a history.

あなたとわたしには過去があるわよね。

むかしの恋人と偶然再会したとき、別れた時の恨みをぶつけるようにつぶやく女性もいるかもしれません!?

ちなみに、通常「歴史」という意味で使うときは不可算名詞の"history"ですが、上記のように過去のある出来事(恋人と別れた、人との関係を断った、など)を指すときは、可算名詞になって"a history"とします。日本語にはない単数・複数の区別は、本当に厄介ですね!

 

Sexy English

 Netflixで放映中の韓国ドラマ「殺人者のパラドックス」を観終わりました。

わたしはソン・ソックのファンでもあるので、このドラマは絶対見逃せないと思っていましたが、最初はちょっと残酷なシーン(そりゃ殺人ですから、当然ですが・・・)に目をそむけたくなり、う~ん、全話観られるかなあ、と正直心配になったのです。

ところが!!

奥が深いんですよ、このドラマは。本当に面白い!なんだこれは?的なことが次々と起こって、プロファイラーもびっくりな展開に!

主演のチェ・ウシクとソン・ソックがドラマの宣伝を英語でしている映像を見つけました。そのタイトルが、

Meet the cast and their sexy English!

なるほど、と思える、2人のセクシーな英語に聞き惚れてください(笑)。チェ・ウシクはカナダ、ソン・ソックはアメリカで、それぞれ暮らした経験があり、そのときに身に付けた英語力が素晴らしいです。




 

"Dreams" by The Cranberries

 一つ前の記事で紹介したNetflixの"One Day"、完全にはまってしまいました!

第8話のラストシーンに流れたのは、The Cranberriesの"Dreams." 90年代初めのヒットソングです。メロディーを聴いたとたん、懐かしくって胸がきゅんとなりました。

この歌に駆り立てられるようにして、Emmaは小説を書き始めます。Ianと別れ、自分の気持ちに正直になろう(Dexを愛していること)という決意を込めて。Emmaの目が輝き、わくわくするシーン。




You have my heart so don't hurt me.

You're what I couldn't find.

A totally amazing mind,

so understanding and so kind;

You're everything to me.

 

わたしの心はあなたのものよ、だからどうぞ傷つけないでね。

あなたのような人には今まで出会えなかった。

信じられないくらい素晴らしくて、

こんなにも思いやりがあって優しい。

あなたはわたしの全てなの。

As complicated as a two-piece jigsaw puzzle

 イギリスのロマンスコメディドラマ"One Day"を観ています(↓にリンクしました)。まだ3話目までしか観ていませんが、友達以上恋人未満のDexとEmmaがすごくいいです。本当はもっと距離を縮めたいのに、何故かそれが出来ない2人。今後のストーリー展開に期待しましょう!

作家を目指しているEmmaは、独特のユーモアセンスがあります。時には辛辣で無礼にも聞こえる発言も、Emmaだから許せるようなところもあり。

3話目で、EmmaがDexに、現在の彼女(Dexはgood lookingで魅力的で、黙っていても女性が寄って来るタイプ)はあなたのことをどう思ってるの?と聞くと、Dexは"Complicated"(複雑な人)って言われた、と返します。

それに対してEmmaの返しがユーモアたっぷり。思わず吹き出してしまいました。

"Complicated?  You are as complicated as a two-piece jigsaw puzzle."

「あなたが複雑ですって?2つしかピースがないジグゾーパズルみたいな人なのに。」

ジグゾーパズルって小さく複雑な形のピースがたくさんあるものと想像しがちですが、幼児向けのものは、大きなピースが2つとか3つとかしかない単純なものもあるんですね。

つまり、Emmaは、Dexの彼女の感想に驚いて、それをユーモラスに皮肉っているわけですが、そこが切ないところなんです。容姿に恵まれたDexは順風満帆な人生を送っているお坊ちゃん、というイメージを抱いているEmmaに対し、「本当の僕を分かってほしいのに、何故分かってくれないんだ」という無言の問いかけをするDex。

One Day (TV Mini Series 2024) ⭐ 7.1 | Comedy, Drama, Romance

One Day (TV Mini Series 2024) ⭐ 7.1 | Comedy, Drama, Romance

| TV-MA

IMDb

 

また面白いセリフがあったら、記事にしたいと思います。

Get out of here

 Netflixで映画やドラマを観るのが大好きなわたし、今はまっているドラマの一つに"Seinfeld"があります。1回20分ちょっとのシットコム。(注:「sitcom」とは、"situational comedy"の略語で、特定の場面や状況で展開するコメディドラマの一種である Weblio辞書より)

Seinfeld (TV Series 1989–1998) ⭐ 8.9 | Comedy

Seinfeld (TV Series 1989–1998) ⭐ 8.9 | Comedy

22m | G

IMDb

 

80~90年代のNYが舞台なので、登場人物のヘアスタイルや服装、言動などにちょっと古臭さが感じられるところがさらに面白いコメディです。

このドラマで登場人物が多発するセリフの一つに、"Get ouf of here""Get out"があるんですが、さてどういう意味でしょう?

例えば、

 

Jerry "The rent is only four hundred dollars a month."

Elaine "Get out!"

 

直訳すれば、「(ここから)出てけ!」ですが、場面や状況から判断すると(↑の画像)、そういう意味ではないな、というのがわかります。相手が言ったことに対して、「信じられない!」「冗談でしょ!」と返しているんですね。だって、NYで家賃が月額400ドルぽっちなんて、ありえないですから!

You are kiddingより、さらに強いニュアンスになるようです。

英語話者と会話しているときに、いきなり"Get out of here"なんて言われたらびっくりしちゃいそうですが、「出てけ」の意味ではないのでご安心くださいね。笑。

Will you marry me?

8年ほど前のことです。当時カリフォルニアに住んでいたわたし達の元に、日本の大学を卒業して働き始めた娘が遊びに来ました。ほんの数日間の滞在でしたが、いろいろなところへ一緒に出掛け、楽しい時間を過ごしました。

ロサンゼルスのあるお店でウィンドウショッピングしたときのこと。わたしは娘から少し離れたところで可愛い小物を見ていました。すると、白人男性が娘に近寄って行きます。なんだろう、と思ってよく見ると、なんと彼が娘に、

"Will you marry me?"

と言っているではないですか!?!?

わたしは絶句してしまい、しばらくそこから動けないほどのショックを受けました 笑。

店を出た後娘にやんわりとさきほどのエピソードについて聞くと、「ふふん。何言ってるのお母さん。あれはジョークに決まってるでしょ。日本人の女の子はからかいやすいからターゲットになるのよ。」と、事も無げに言います。娘は9歳から17歳までわたしたちと一緒にアメリカで暮らしていたので、白人男性の心理や言動をよくわかっているのでしょうか。

それにしても、デートに誘うのではなくいきなり求婚というのも、いくらジョークでもねえ。ああ、そうか、ありえないことだからジョークになるのか。

と、納得したようなしないような。

わたしなら、素敵な男性であれば喜んで"Yes"なんて答えてしまうかもしれません。笑。